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■ 定有堂雑記
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第１６回 販売棚と陳列棚（棚づくり＃１）
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夏には毎年、棚卸しがあります。一冊一冊に手を触れるので、自ずと細かいところにも目が届きます。なんとなく気分一新したい気になって、その後しばらく、棚の掃除や、本の人事異動にいそしみます。
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販売棚と陳列棚という重なり具合を、いつも考えています。アクチュアルな瞬間風速をはらんだ、いまこそ売れ時の本。今年の８月なら「靖国」（新潮文庫）でしょうか。そんな本の存在をアピールするのが、販売棚。表紙を見せて、人目を惹くように置きます。見やすくするためには、棚の込み具合もいつも八分目に保っておく必要もあります。切り捨てることの判断が求められるところです。
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いまこの本が輝いている、というひらめきも大切ですが、でも、役を終わった、と見切ってあげるのも重要な棚づくりのポイントです。
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日々のアクチュアルから、少し身を引いて、じっくり考えるリアルな本も必要です。店内奥の静かな空間がふさわしいですね。そんな本も集める必要があります。陳列棚の見せどころです。ここは問題提起もする棚です。見出しを添えて、問いかけるテーマを、投げかけてみます。
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いますぐ手にしたいアクチュアルな本。そして、つきつめて考えてみたいリアルな本。こんな入り組んだ本との出合いを、棚の空間いっぱいに、解き放っていきます。
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棚づくりはそんな意欲に突き動かされる永久運動なのです。
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○野崎保志
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○甲川純一
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○坂井真一
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○川辺佳展
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○福井章弘
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○市川薫
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○奈良敏行
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奈良 敏行
(なら としゆき)
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| 定有堂書店店主。１９８０年開業。人との触媒としての「本」に関心。サークル、ミニコミ好き。スタンスは「町の本屋」。オブセッションは「本屋の青空」。趣味は、本読み、ノートパソコン、本屋。００年６月からは「本好き、本屋好きな」人たちと、website.teiyuという「隠れ里」に住む。 |
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告知板
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