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■ 定有堂雑記
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第２２回 コマーシャル・アルケオロギー
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ちょっと最近忘れていたのですが、ふとあらためて、自分の足場の「町の本屋」主義について考えています。
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独立自営、身の丈に生きる、これだけのことですが、とり巻く環境は相貌を移ろわせ続けていますね。
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最近、とても刺激的に読んだ本があります。「ハイウエイの誘惑」という本です。アメリカのロードサイドのカウンター・カルチャーの興亡史です。生者必滅、生まれ、育ち、盛りを終え、甘美な思い出の中につづられた、ロードサイド商業考古学です。
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車の発達は、都市を放射状でなく、リニヤー・シティ（直線形都市）にします。つまり、ハイウエイの時代です。
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１９２０年代から５０年代がロードサイド・ビジネスの黄金期です。「ハイウエイが、単なる道ではなく、ヴァケーション・ロードとなった」といいます。
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ここから恐竜のたどったような進化と衰亡がはじまります。ハイウエイ文化の舞台装置の最たるものは路傍の「アトラクション」です。ツーリスト・トラップといって、通りすがりの車をキャッチする罠を工夫するのです。
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人を引きつけ、呼び止め、立ち寄らせ、つれづれを慰め、持ち帰って語る話題にもなる。このコンテクストの物語がロードサイドに生まれます。
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で、どのように衰退するか。１９６０年代はスーパー・ハイウエイの時代に入ります。フリーウエイの本来的な目的は、橋です。地区と地区を結び付けると同時に、地区をまたぎ越すのです。
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街が迂回されたのと同じように、今度は、ロードサイドが衰退します。開けるのは、インターチェンジのランプ（出入り口）となります。
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で、大きくなりすぎた恐竜が環境の変化に適応できなくなり滅んだ後に、小動物の哺乳類が顔をのぞかせるように、うごめき始めるのが、ダウンタウン・ルネッサンス。
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さて、これはまた次の話となります。
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「ハイウエイの誘惑 ―ロードサイド・アメリカ」
海野弘 グリーンアロー
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