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■ 今月読んだ本
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| 第２７回 「戦争」を誰が終わらせるのか |
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ここ数年、新書が大量生産され質が落ちており、老舗の岩波新書もその例外ではない。最近、岩波新書をほとんど読んでいなかったが、今月に入って３冊、立て続けに読んだ。
杉原達『中国人強制連行』、高崎宗司『植民地朝鮮の日本人』、梅林宏道『在日米軍』、いずれも５月、６月に刊行された新刊である。
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花岡事件の生存者、遺族が鹿島建設を提訴したのが僅か７年前の1995年、東京高裁で和解が成立したのがなんと戦後５５年の2000年１１月である。また、先週の７月９日には、戦時中に強制連行され広島県加計町の安野発電所建設現場で働かされた中国人の元労働者３人と遺族５人が、西松建設に対し損害賠償を求めた訴訟の判決が出た。広島地裁は、強制連行と労働については国策としての不法行為を認めたが、損害賠償請求権については除斥期間を適用した。
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最大時７５万人いた在朝日本人の７０年間を淡々と描く『植民地朝鮮の日本人』、日米安保条約の枠を大きく逸脱し２１世紀の米国世界戦略の一翼を担う在日米軍の実態を分析した『在日米軍』。
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「「戦争」はまだ終わっていない」と『中国人強制連行』の帯にある。私は、この言葉に、「「戦争」は誰が終わらせるのか」と即座に付け加える必要性を強く感じている。
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岩田 直樹
(いわた なおき)
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| 高校で数学を教える。十代後半から二十歳過ぎまでは人並みに小説を乱読したが、ここ十年ほどは、現象学からはじめて、思想書をゆっくりと読み進んでいる。 |
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告知板
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